家族六人で暮らせるようになって、しみじみ感じたのは、あの時の三女の脱毛は、我が家庭への危険信号でもあった、ということだ。もし、あの時引っ越さなかったら、もう一年、もう一年と、我が夫婦、父子は別会に時を重ね、今どんなことになっていたか、ゾッとする思いだ。生まれた時から姉妹の中でもひときわ黒々と豊かな髪に恵まれた三女は、小学四年になり、おしゃれにも目覚めてきて、髪を背中まで伸ばしている。この髪がごっそり抜け落ちていたことがあるなんて、信じられないようなみごとな黒髪だが、頼まれてポニーテールを結いながら、娘達のツヤツヤと輝く髪が、我が家の幸せのバロメーターだ、とつくづく思う。
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