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結婚式をすることに両親も賛成

「8月に挙式を決めたのは。ホテルはその時期閑散期で宴会場が空いていたし、安いんです。それに私は9月、彼は6月生まれなのでひとつでも年の差が少ないほうがいいなと思って。29歳よりは28歳の花嫁のほうが聞こえもいいだろうし」。挙式はNさんの勤めるホテルで。社員割引で一層安くなるし、無理もきく。2人とも勤め先が東京なので、地元ではなくこちらで結婚式をすることに両親も賛成してくれた。「本当に何も気が付かなかったっていうか。彼も嬉しそうにしてくれてたし、1か月くらい前にはどこに住もうか、なんて話もしてて。だから……」。挙式3か月前のGW、彼は「独身最後の旅行だ」と言って、友人たちと沖縄に出かけて行った。ダイビングをするので、その仲間たちと行ったんだとばかり思っていた。Nさんは、数日後彼の部屋で数枚の写真と手紙を見付けた。「今思うとわざと目に付くところに置いておいたのかもしれないですね。いかにも、といったかわいい封筒が、電話の横に置いてあったんです」読んじゃいけない、と思いながらも、Nさんは手を止めることができなかった。「……楽しかったねといった意味の手紙と、2人の写真でした。沖縄のホテルで、ビーチで写した写真。彼がベッドに寝ている写真もありました」。見慣れたはずの彼の背中。裸で眠る彼を写したその写真を前に、Nさんは彼が帰ってくるまで放心していたという。「帰って来て、テーブルの上の写真と私を見て、サッと顔色が変わりました。本当に漫画みたいに、サッと。私が何も言わなかったから、彼もしばらく黙ってた。ため息だけついて。何分そうしてたかわからないくらい。何時間だったかもしれない。とにかく私はもうすっかり何かを聞く気にもなれなくて『どうするか電話して』と言って部屋を出て来てしまったんです」。これは誰?どういうことなの?なんで嘘ついたの?彼女のことが好きなの?どういう関係なの?私とどっちが好きなの?……。聞きたいことは山ほどあったのに、何ひとつNさんは聞かなかったという。「というか、ショックで聞けなかったんです。何を言っていいのかわからなかった」。結局、1週間後に彼から電話があって「別れて欲しい」と告げられた。