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日本のデザイナー達のビジネス

日本のデザイナー達のビジネスを見回してみると、依然として旧体制のシステムが多いように僕は感じます。旧体制といった意味は企業内のヒエラルキーのありようなんです。デザイナーが“大先生”として頂点にいると考えると、クリエイション面を受け持つアトリエのスタッフが優遇されていて、マネージメントやPRコミュニケーション担当はあくまで「大先生の作品を宣伝し広報させていただく立場なんですからね!」という図式。確かに付加価値産業と呼ばれたDCブランド全盛期ならば、こうしたメンタリティは充分に理解できます。ただしアルノーの改革以降、欧米のファッションービジネスにおいては大々的な構造改革が行われており、いまやマネージメントを担当するのはMBA取得組のエリート達なのです。今後のファッションービジネスを考えると、このクリエイター系のスタッフとマネージメント担当のスタッフ、そしてコミュニケションを担当するセクションとのヒエラルキー・バランスが均等に取れていないデザイナー企業は次第に“負け組”へと転落していくように思います。いわばデザイナー企業がその体質を“絶対王政”から“共和制”へと変革すべきなんです。ただ日本のデザイナー企業における“同族経営”のなかではなかなか実現しにくいのも現状です。それだけにソニーやトヨタのような国際的優良企業がデザイナー企業を投資先として買収するような動きに期待したいんです。彼らにとって才能あるモードークリエイターを擁する事業は本体のイメージ戦略にも大いに利益をもたらすはずです。“デザイナー側もしょせん一代限りのビジネスなんだ”とは本気で思っているわけじゃないでしょうから。