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服薬をやめられない場合

患者さんの中には、妊娠中といっても再発の危険などからどうしても服薬を止めることができない人もいます。または、医師から見ると絶対適応ではなくても、症状改善のために服薬継続を希望する人もいます。向精神薬の中には、抗てんかん薬の一部(バルプロ酸ナトリウム、フエニトインなど)のように、催奇形性がはっきり指摘されているものもあります。しかし多くは、催奇形性の存在が確立まではされておらず、「有用性が危険性を上回る場合にのみ投与すること」とされているものがほとんどです。そこでそういう人には、危険性の高い薬物の場合を除き、追加して次のように尋ねます。「あなたがのんでいる薬は、いずれもはっきりした危険性が指摘されているものではありません。しかし反面、安全性が確立されているわけでもありません。子どもの安全を最優先する立場からは、のまないのが最も望ましいです。しかし、それを承知の上なら、服薬を継続してもよいと思います。どうしますか?現に服用している薬について、さらに個別の危険性について尋ねられれば、調べて返事をします。また、医師の立場からぜひとも服薬を継続してほしいと思う場合には、その旨伝えます。しかし、最終的には本人にどうするかを選択してもらいます。どんなに危険性が小さいものであれ、子どもの安全を選ぶか、それとも自身の治療を選ぶかは、本人にしか選べないし、またその責任も、医師には十分な説明をする責任があるとは言え、究極的には本人が負うしかないからです。なお、妊娠十六週(妊娠五ヶ月初め)からあとになると、奇形が起こる可能性はなくなるので、薬を服用してもよい場合が多くなりますが、それでも薬によっては胎児の発育に影響を及ぼす場合がありますので、詳細については主治医に確認する必要があります。